嬉しい送りもの

2021年08月15日 10:00
カテゴリ:暮らしその他

静岡県の伊豆半島の最果てにある小さな町。この地域に暮らす両親から夏の便りが届いた。70歳を越えた父親だが、夏に素潜りでサザエを獲っている。もちろん食べる分だけ。そして食べ易いようにと、母がサザエを下茹してから送ってくれる。今年は自家製の西瓜も共に。以前の職場同僚で和裁や民芸、そして水耕などに明るいとても素敵な知人に頂いたレモン胡椒をサザエのトッピングに使ってみたい。

新型コロナウィルス感染症の流行によりしばらく帰省していないが食卓に並ぶと磯の香りが懐かしくお盆の実家を想い出す。
 
そういえば今から20年近く前になるが、僕が老人ホームで介護士の仕事を始めた最初の夏も同様にサザエを送ってくれた。老人ホームでは、お年寄りたちとの会話でお互い生まれ故郷についての話題になることが多く、僕はよく伊豆半島の話をした。そしてあるお年寄りと話をしているうちにそのサザエを食べてもらいたくなった。僕は冷凍してあるサザエを厨房に持参して少し仲良くなったスタッフに調理をお願いした。

しかし話はここで終わった。この事が施設長に漏れ、即座に中止になった。当然僕は厳しく叱られた。理由は2つあった。今でも腑に落ちていないがひとつは、特定の入居者にしか出来ない事はしない。もうひとつは、確か、食品持ち込みには衛生管理の問題があること、だった。最初に施設長に相談しない僕がいけないのは明白だった。しかし、特定の入居者にしか出来ない事をすることこそ介護では無いのか。と疑問をもったのを覚えている。介護を始めた当初このように数えきれないほど失敗した。そして誰一人理解者がいなくて苦しい時期でもあった。今では特定の入居者にしか出来ない事をする術も少しは分かってきた。サザエを見ると少し笑ってしまう、良い思い出になっているのです。

記事一覧を見る

powered by crayon(クレヨン)